パット・メセニー / ユニティ・セッションズ

4.5

THE UNITY SESSIONS-1 パット・メセニーの「UNITY BAND」 → 「UNITY GROUP」プロジェクトの集大成となるDVDTHE UNITY SESSIONS』(以下『ユニティ・セッションズ』)。

 『ユニティ・セッションズ』の映像から「何もそこまでしなくても」的なパット・メセニーの「濃厚すぎる今!」が伝わってくる。
 ついに「パット・メセニー・グループ」の『THE WAY UP』を超えてきたか?

 当然と言えば当然なのだが,実に素晴らしい演奏である。パット・メセニーが,クリス・ポッターサックスに,アントニオ・サンチェスドラムに,ベン・ウィリアムスベースに“ゾッコン”惚れ込んでいることが画面から(表情から)伝わってくる。

 …で,管理人の結論。『ユニティ・セッションズ批評

 管理人にとってパット・メセニーのイメージと来れば,いつまで経ってもECM時代のパット・メセニーのまんまである。
 『BRIGHT SIZE LIFE』『PAT METHENY GROUP』『AMERICAN GARAGE』『OFFRAMP』『TRAVELS』の時のような,ボーダーシャツにジーンズで髪ぼさぼさなのに音楽だけは絶対に手を抜かない爽やかな好青年だった。

 あれから30年。『ユニティ・セッションズ』は凄いんだけど,聴いていて楽しくはない。音数を詰め込みすぎでアレンジも凝りまくっている。手に汗握る展開が多くリラックスして楽しめない。

 一体,いつ頃からパット・メセニーは「アーティスト気質」のジャズ職人になってしまったのだろうか? フュージョン界でアイドルしていた頃の面影が全く残されていない。
 「ゲフィンは下品」で好きではないのだけど,今のパット・メセニーを聴くんだったらゲフィン時代のパット・メセニーを聴きたいと思う。

 『ユニティ・セッションズ』の内容は最高なんだけど,パット・メセニーの“本物志向”が管理人の求めるパット・メセニーからどんどんどんどんレベルアップしてしまって,こちらが追いつけないというか…。
 もうちょっとだけメセニー・ファンの期待も考慮してほしいと言うか,エンターテイメント性も考慮してほしいと言うか…。
 クリエイティブな中身とは別の分野で不満が募ってしまいます。

THE UNITY SESSIONS-2 実はこの『ユニティ・セッションズ』。パット・メセニーの「ステージ上は最高の客席というだけでなく,共演するミュージシャンの演奏を最も良く聴ける場所」との持論に基づく“鶴の一声”で「視聴者がバンドの視点で演奏を聴く」という録画方法へ変更・制作されたシロモノなのである。
 一度は決まっていた10/10東京公演での撮影シューティングを白紙に戻してまで…。

 『ユニティ・セッションズ』を見て,完璧な演奏に打ちのめされた管理人は,興奮して,しかしこうも思うのだった。
 「これっ,本当は東京で撮影シューティングされる予定だったんだよなぁ。そして管理人と妻も写り込む予定だったんだよなぁ」。

 そう。管理人にとって『ユニティ・セッションズ』とは「新婚旅行のメイン・コンテンツ」。挙式後すぐに旅行にはいかず“敢えて”パット・メセニーのシューティング・ライブの日程に新婚旅行を被せるという裏技。

 でもでも『ユニティ・セッションズ』の,恐ろしい完成度&完璧な仕上りを見せつけられたら,もう愚痴なんてこぼせっこない。好き嫌いを越えた部分で感動が1曲毎に押し寄せる。

 
01. GENEALOGY
02. ON DAY ONE
03. THIS BELONGS TO YOU
04. ROOFDOGS
05. COME AND SEE
06. KIN
07. BORN
08. RISE UP
09. ADAGIA
10. SIGN OF THE SEASON
11. GO GET IT
12. CHEROKEE
13. POLICE PEOPLE
14. TWO FOLK SONGS (#1)
15. MEDLEY; PHASE DANCE / MINUANO / PRAISE / AS IT IS / OMAHA CELEBRATION /
   ANTONIA / THIS IS NOT AMERICA / LAST TRAIN HOME

16. BONUS INTERVIEW

 
PAT METHENY UNITY GROUP
PAT METHENY : Electric Guitar, Acoustic Guitar, Guitar Synth, Electronics, Orchestrionics
CHRIS POTTER : Tenor Sax, Soprano Sax, Bass Clarinet, Flute, Guitar
ANTONIO SANCHEZ : Drums, Cajon
BEN WILLIAMS : Acoustic Bass, Electric Bass
GIULIO CARMASSI : Piano, Flugelhorn, Whistling, Synth, Vocals

(ヤマハミュージックメディア/EAGLE VISION 2015年発売/YMBS-10596)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,杉田宏樹)
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コメント

  1. 南郷どん より:

    こんにちは。この日のLIVE会場に居合わせた一人です。私もDVDに写り込むつもりで出掛けたのですが,夢叶わずに残念。微妙な気持ちで買ったDVDですが見終わって納得の完成度でした。このスタジオ・ライヴ・シリーズが定番になったらうれしいのですが自分が見たLIVEだけは無編集で作品化してほしいとも思います。メセニー・ファンなら「ないものねだり」も許していただけますよね?

  2. セラビーセラビー より:

    南郷どんさん,コメントありがとうございました♪
    同士さんですね。本当は完成度がイマイチでも?観客の前で演奏したPMUGが見たかったと思います。メセニーの意識からすると「完全無欠な」スタジオ・ライヴ・シリーズが続くように思いますが,もはやどちらでもいいです。とにかく今のメセニーなら全公演を映像で記録しておいてほしいです。「ないものねだり」はメセニー・ファンだけの特権です!

  3. ドム男 より:

    お邪魔します
    毎回コメントするページがChick Corea評論なので「ドム男」=「Chick Corea」のイメージがあると思います。でも他のJazz Fusionもたまに聴きます。た・ま・にこれを見たのが小6ぐらいですかね。多分これだと思うのですが間違っていたら、ごめんなさい。
    1曲1曲鮮明に覚えているわけではないのですがPat Metheny初心者の率直な感想を言えば、不思議体験でした。そしてもっと感想を、サウンド面で掘り下げれば「一音一音はハッキリしているのに全体の音がフワフワしている」と当時の私が発言したのを覚えています。

  4. セラビーセラビー より:

    ドム男さん,コメントありがとうございました♪
    「ドム男」=「Chick Corea」のイメージ。ありますよ。正確には「エレクトリック・バンド」のイメージですけど。
    それで是非,ドム男さんが参戦したCCEBのジャパン・ツアーの感想もコメント欄で教えてくださいませ。

  5. ドム男 より:

    返信ありがとうございます
    私のイメージはChick Corea以上にElektric Bandでしたか。でも言われてみれば、私が最初にコメントしたCD評論は「To The Stars」でしたね。それと私が参戦したツアーの感想ですが、パット・メセニーのコメント欄書くのもアレなので、Elektric Bandのニューアルバムのコメント欄で!?それか「The Musician」のコメント欄にでも書きます。
    そこで管理人さんに提案です。「The Musician」ブルーレイ入りの方買いませんか?「The Musician」のCD評論ももちろん見たいのですが、管理人さんのブルーレイの評論の方も見たいのです。検討していただけると、幸いです
    さてやっと本題に来ましたね。私の率直な感想である「フワフワ」共感できて嬉しいです。パット・メセニーのこの映像は意外とループした記憶があるので、ハマるかもしれません。管理人さんの「フェイバリット・パット・メセニー」に辿り着く日は近いかも?

  6. セラビーセラビー より:

    ドム男さん,コメントありがとうございました♪
    『THE MUSICIAN』の件ですが,ブルーレイは再生環境がありません。自宅はDVDのみなのです。ただしそれ以上に直輸入盤仕様以外の輸入盤は購入しない主義なのです。値段は国内盤が高いのですが2000枚の国内盤しかコレクションしていないのです。
    何と勿体ないとお思いかもしれませんが,このタガを外してしまったが最後,欲しいCDが今の何倍にも増えてしまい破産してしまうはずなのです。きっと,いつの日か『THE MUSICIAN』の国内盤が発売されると思っていますのでその日を楽しみに待とうと思います。
    ついでながらエレクトリック・バンドの『ライヴ・イン・東京1987』ですが,こちらは『GRPスーパー・ライブ』として,所有している既発CDの単体再発でしたのでスルーします。内容はやっぱり【ランブル】が図抜けていますね。ABCDEFGまでCD批評が進んだら『GRPスーパー・ライブ』批評として取り上げますねっ。
    本題のメセニーですが,まずはECM盤を聴いてください。その後で「ゲフィンは下品」を聴くと超いい感じです。ただし”最高傑作”は『THE WAY UP』です。

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