『ＧＲＯＯＶＥ ＧＬＯＢＥ』の７曲目は【ＭＯＯＮ】。
【ＭＯＯＮ】は，アンプラグドの魅力をフューチャーした名演である。このロマンティックな曲想を生かし切るには，やはりアンプラグドなのであろう。
冒頭からメインテーマを奏でるユニゾンとソロのバランスが絶妙である。しかもユニゾンの組み合わせも“入れ替わり立ち替わり”本当はじっくりと１人１人の演奏に耳を傾けたいなのだが，途中でどこかの“夢の世界”へと連れ去られてしまう。“幻想的な音世界”が素晴らしい。
やはり聴き所はユニゾンの美しさにあると思うのだが，繰り返し聴き込み“トリップ”するのを我慢できるようになると，各人のソロにも心奪われるようになる。
１分３２秒からの伊東たけしのアルト・サックス，２分３６秒からの安藤まさひろのアコースティック・ギターは“いつも通り”素晴らしい。
しかし現Ｔ－スクェアの“らしさ”を感じさせてくれるのは，３分８秒からの河野啓三のピアノ・ソロ！ シンセをバックに大人のアドリブを決めてくれる。
続く森岡克司のフレットレス・ベースはそうでもないが，ソロ上がりの河野啓三とのユニゾンがいい。森岡克司は自由よりも“抑制の美”がよく似合うベーシストだと思う。
T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic Guitar, Electric Guitar
TAKESHI ITOH : Alto Saxophone, Soprano Saxophone, EWI, Flute
Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass
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