渡辺 香津美 / パーフェクト・リリース

PERFECT RELEASE-1 日本が世界に誇る「W渡辺」の一人,渡辺香津美こそが“スーパー・ギタリスト”である。
 あのピカソ・ギターを自由自在に弾きまくるパット・メセニーをして「香津美がニューヨークに来たら,みんな仕事がなくなっちゃうよ」と言わしめた実力は,正真正銘・世界のトップ・ギタリスト。海外の一流ジャズメンを“子分扱い”して“自分色に従える”ことができるのは,ナベサダヒノテルと「KAZUMI」ぐらいなものであろう。

 そんな世界の「KAZUMI」への成功への階段は「DOMO」+「MOBO」にあった!
 「DOMO」とは渡辺香津美のパーソナル・レーベル。ギタリストの枠を超え,例えば『ガネシア』を,ジャニーズやハロプロ的手法の元祖=色違いのジャケット3種類で発売したりと,プロデューサーとしても力量を発揮したトータル・フュージョンギタリストの全てが記録されている。 ← 注)『ト・チ・カ』を除く。

 「MOBO」=ギター・フュージョン! フュージョン・ファンにとって,ギター・シンセの代名詞と言えばパット・メセニーであろうが,管理人には渡辺香津美
 フュージョン全盛のあの時代,ギター・シンセの習熟度に関してはパット・メセニーより渡辺香津美の方が上であったと思う。パット・メセニー渡辺香津美をリスペクトしたのも“摩天楼”ギター・シンセの腕前にあったのでは?

 あの日本的でアジア的なノスタルジックな楽曲をテンション高めに刻んでいく“予測不能なキレキレの大爆発”こそギター・シンセの真骨頂! ジャズ・フレーズをハード・ロック&プログレのギタリストが演奏したような稀に見る“爽快感”! 毎回異なるフォーマットで「うわぁ,こう来たか?」と興奮させられたものである。

 そこで『PERFECT RELEASE』(以下『パーフェクト・リリース』)!
 『パーフェクト・リリース』は「MOBO」時代のベスト盤。6枚のアルバム(『ガネシア』『MOBO』『MOBO倶楽部』『桜花爛漫』『MOBOスプラッシュ』『スパイス・オブ・ライフ』)からの黄金の選曲こそがJ-フュージョンの金字塔! 正真正銘『パーフェクト・リリース』そのものである。

 それぞれ6枚のアルバムは学生時代にカセット・テープで所有していたが,上京を機にCDへとお買い換え。6枚とも買い直すお金がないので,とりあえずベスト盤で急場をしのぐつもりであったが,これがハマッタ!
 この曲順で聴くあの名曲が超新鮮&大好きなトラックばかりが高音質で流れ続ける。“夢のCD”の登場であった。現在ではCD-Rという手があるが,これは20年前のお話。『パーフェクト・リリース』を聴く度にベスト盤の存在に感激していた“あの頃”を懐かしく思い出してしまう。
 ちなみに『パーフェクト・リリース』は現在廃盤である。「MOBO」時代の渡辺香津美は1枚1枚買い揃えるべし!

 さて,これだけ絶賛しておいてなんだが,近年の渡辺香津美は一体どうしたのだろう? 正直「迷走中」である。聴いていてつまらない。おもしろくない。感動しない。
 その原因を管理人なりに考えてみると,パット・メセニーでさえ絶賛した“超絶技巧”にあるのではなかろうか? そう。渡辺香津美の最大の武器が最大の弱点と化している。

PERFECT RELEASE-2 「変にテクニックがあるものだから…」。この言葉は使い古されたジャズ批評の常套句! 近年の渡辺香津美批評する言葉として,まさかこの言葉を使うとは思いもしなかった。
 世界トップレベルの“超絶技巧”を持て余していれば,クラシックやバレエの難曲・大作に挑戦してみたくなる気持ちも分からなくはないが,自己満足の“超絶技巧”を披露されても,そこにリスナーが置き去りでは感動できるはずがない。

 ここは初心に返るつもりで「MOBO」時代の“予測不能なキレキレの大爆発”を披露してほしい! フュージョンに再チャレンジしてほしい!
 渡辺香津美の次作こそ,2007年版『パーフェクト・リリース』!? 管理人は“トータル・フュージョンギタリスト”「KAZUMI」の帰りをいつまでも待っている!

 
DISC 1
01. MELANCHO
02. AMERICAN SHORT HAIR
03. SHANG-HI (MOBO#1)
04. CITY
05. HIPER K
06. RIBOJ
07. AFTERNOON IN THE PARK
08. 十六夜
09. HALF BLOOD
10. UNT
11. 風連

DISC 2
01. 予感
02. 危険がいっぱい
03. LIM-POO
04. 瓢簟こまねずみ
05. WALK DON’T RUN
06. 遠州つばめ返し
07. RACOON ROLL
08. サッちゃん
09. つるかめひなタンゴ
10.
11. J.F.K.
12. 師走はさすがに忙しい

 
KAZUMI WATANABE : Electric Guitar, Acoustic Guitar, Guitar Synthesizer, Keyboards, Fake Log Drums, Digital Sampler, Emulator
DAVID SANBORN : Alto Sax
MICHAEL BRECKER : Tenor Sax
DON GROLNICK : Organ, Synthesizer
MARCUS MILLER : Bass
ROBBIE SHAKESPERE : Bass
JEFF BERLIN : Electric Bass
OMAR HAKIM : Drums
SLY DUNBAR : Drums
STEVE JORDAN : Drums
BILL BRUFORD : Electric Drums, Drums, Percussion
YASUAKI SHIMIZU : Alto Saxophone, Tenor Saxophone, Baritone Saxophone, Flute, Clarinet, Bass Clarinet
MITSURU SAWAMURA : Sax
AKIRA SAKATA : Alto Sax, Vocal, Voice
KAZUTOKI UMEZU : Alto Sax
MASANORI SASAJI : Acoustic Piano, Electric Piano, Tack Piano, Hammond Organ, Synthesizer
KEI AKAGI : Piano, Fake Marimba
ICHIKO HASHIMOTO : Piano, Keyboards, Vocal, Voice
KENJI TAKAMIZU : Basses
GREGG LEE : Electric Bass
KEN WATANABE : Electric Bass
NOBUYOSHI INO : Z-Bass, Acoustic Bass
HIDEO YAMAKI : Drums, Percussion
SHUICHI MURAKAMI : Drums, Percussion
KIYOHIKO SENBA : Percussion

(ポリドール/DOMO 1987年発売/H50P20211/2)
(CD2枚組)
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION

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