フューズ・ワン / フューズ

5.0

FUSE-1 「CTIオールスターズ」が「CTIジャズオールスターズ」であるならば「フューズ・ワン」は「CTIフュージョンオールスターズ」である。

 フュージョンの老舗であるCTIの『FUSE』(以下『フューズ』)は,フュージョン・ブームの末期に発売された,フュージョン・ブームの再燃を狙った起死回生の企画盤である。
 『フューズ』の収録曲【DOUBLE STEAL】がTDKの「ドル箱」TVCM曲として採用されたのも,そんな両者の思惑があったりなかったり…。

 話のついでに脱線するが,俗に【DOUBLE STEAL】を「フュージョン・ブーム最後の名演」と呼ぶことに抵抗はないが,どうせだったら【GRAND PRIX】か【TAXI BLUES】のどちらかがTVCM曲として流されていたならフュージョン・ブームも延命していた,と管理人は信じている。

 「フューズ・ワン」のメンバーは,テナーサックスソプラノサックスフルートジョー・ファレルギタージョン・マクラフリンギターラリー・コリエルキーボードロニー・フォスターキーボードドン・グルーシンキーボードジェレミー・ウォールキーボードホルヘ・ダルトピアノヴィクター・フェルドマンハーモニカヒュー・マクラッケンベーススタンリー・クラークベースウィル・リードラムトニー・ウィリアムスドラムレニー・ホワイトドラムレオン・チャンクラーパーカッションポウリーニョ・ダ・コスタパーカッションロジャー・スキーテロ ETC

 『フューズ』の最高とは,上記クリード・テイラー人脈の超豪華スーパー・スター軍団の演奏の良さに秘密があるのか? それとも名曲ばかりの選曲の良さに秘密があるのか? いやいや,演奏とメロディーの相乗効果にある!で決まりでしょう。

 『フューズ』はとにかく曲がいいアルバムなのだが「フューズ・ワン」の名手たちが,美メロをこれ以上ないハーモニーで表現しきっている。凄いんだけど聴き馴染みが本当に良い。頭の中でいつまでもリフレインする名曲&名演の決定版な1枚である。

FUSE-2 …が,しかしである。以上が表『フューズ批評であり,上記の文章に偽りなど混じってはいないのだが「フューズ・ワン批評には表と裏の2種類がある。

 ズバリ,裏『フューズ批評の真実とは「フューズ・ワンフィーチャリングスタンリー・クラーク」であろう。

 とにかくスタンリー・クラークベースのバカテクこそが『フューズ』最大の聴き所であって,曲調にしてもベースソロのスペースにしても,言わば楽曲を構成する全ての要素がスタンリー・クラークのバカテクを中心に“お膳立てされている”で間違いない。

 ここまであからさまに贔屓されているスタンリー・クラークのどの部分にクリード・テイラーがここまで魅了されたのかは不明であるが,クリード・テイラーの「心の声」は明らかである。
 「ECMマンフレート・アイヒャーRTFチック・コリアよ,スタンリー・クラークを横取りしやがって~」。 

 
01. GRAND PRIX
02. WATERSIDE
03. SUNSHINE LADY
04. TO WHOM ALL THINGS CONCERN
05. DOUBLE STEAL
06. FRIENDSHIP
07. TAXI BLUES

 
FUSE ONE
JOE FARRELL : Tenor Sax, Soprano Sax, Flute
JOHN McLAUGHLIN : Electric Guitar, Acoustic Guitar
LARRY CORYELL : Acoustic Guitar, Electric Guitar
RONNIE FOSTER : Fender Rhodes, Synthesizers
JEREMY WALL : Synthesizers, Electric Piano, Acoustic Piano
JORGE DALTO : Fender Rhodes
VIC FELDMAN : Acoustic Piano, Fender Rhodes
DON GRUSIN : Keyboards
STANLEY CLARKE : Bass, Tenor Bass
WILL LEE : Electric Bass
NDUGU LEON CHANCLE : Drums
LENNY WHITE : Drums
TONY WILLIAMS : Drums
PAULINHO DA COSTA : Percussion
ROGER SQUITERO : Percussion
HUGH McCRACKEN : Harmonica

(CTI/CTI 1980年発売/KICJ 2169)
(ライナーノーツ/中原仁)
アドリグをログするブログ “アドリブログ”JAZZ/FUSION

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