『TO THE STARS TOUR EDITION DISC 1』の8曲目は【ALAN CORDAY】(以下【アラン・コーデイ】)。
【アラン・コーデイ】は,チック・コリアの「スペイン嗜好&アコースティック指向」が入り交じった大作である。
全体的には落ち着いたトーンの“聴かせる”ナンバーであるのだが,フラメンコ風“キメッ”のテーマがアクセントとして随所に登場! その瞬間にトリップしてしまう。
懐かし気な「アンプラグド」な世界観をベースに,スペインの“情熱”が織り込まれたテーマに心奪われてしまう。アドリブとユニゾンの“波”が交互に押し寄せては消えてゆく。刹那的な美しさが全編を支配している。
4人のソロが“揃いに揃って”全員饒舌! しかし饒舌すぎることはない。いいところで,全ては流れるように消え去ってゆく…。
2分35秒からのチック・コリアのピアノ・ソロは珍しく音数が多く,しっかりと鍵盤上を転げ回る。“ジャズ・ピアニスト”チック・コリアの本領を久々に聴ける。
3分24秒からのフランク・ギャンバレのギター・ソロが【アラン・コーデイ】のハイライト! 早弾きなのにムーディなアコギは,これ見よがしにテクニックをひけらかさない,エレクトリック・バンドの“ポリシー”を地で行った大名演である。
個人的には6分7秒から15秒までのユニゾンが「帰ってきた,チック・コリア・エレクトリック・バンド!」を感じて,ついつい熱狂してしまう。
CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano
FRANK GAMBALE : Guitar
ERIC MARIENTHAL : Sax
JOHN PATITUCCI : Bass
DAVE WECKL : Drums
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