ビル・エヴァンス / ポートレイト・イン・ジャズ / WITCHCRAFT

5.0

『PORTRAIT IN JAZZ』の4曲目は【WITCHCRAFT】(以下【ウィッチクラフト】)。

 【ウィッチクラフト】は名トラックである。読者の皆さんには,まずこの点をしっかりと押さえておいていただきたい。
 管理人の「ジャズ批評家」としてのプライドをかけてここに提言するが,世間の下す【ウィッチクラフト】への評価は余りにも低すぎる。

 『ポートレイト・イン・ジャズ』と言えば,世間では【枯葉】【降っても晴れても】【いつか王子様が】【スプリング・イズ・ヒア】【ブルー・イン・グリーン】の名が挙がる。この結果は至極当然のこと。この6曲への賛辞に異論などない。
 残念なのが【ウィッチクラフト】について尋ねた場合の反応である。ほとんどの場合,ハテナ?あるいは「ああ,そう言えば」的な反応に終始する…。

 「NO.1に挙げろ!」とは言わない。ただ「もっと評価のしようがあるだろうに」と思ってしまう。真にガッカリである。いいや,この低評価に憤りさえ感じてしまう。全てのジャズ・ファンに“評価の見直し”をお願いしたいほどなのだ。

 なぜならば,管理人的には『ポートレイト・イン・ジャズ』の中で,ビル・エヴァンスの“らしさ”を色濃く感じるのが,何を隠そう【ウィッチクラフト】だからである。

 このエヴァンス“らしさ”を説明するのは難しいのだが,ニュアンスとしては,剣を交えることで剣を「研ぎ合う」的なこと。勝つ負けるの勝負ではなく,腕を上げるための「腕試し」的な…。
 そう。ここは命懸けの寸止めの世界。ここに“美”が宿っている。

 【ウィッチクラフト】の構図はこう。( ビル・エヴァンスの左手 < リズム隊 < ビル・エヴァンスの右手 )+ 耽美主義!

 序盤は左手一本でリズム隊の頭を押さえつけていたビル・エヴァンスピアノであるが,スコット・ラファロベースが暴れ出すと,もはや押さえが効かなくなる。
 なんとなく「暴動を制圧にかかる政府」の描写のようであるが,ビル・エヴァンスジャズ・ジャイアントであることを忘れてはならない。

 ビル・エヴァンスは暴動を力業ではなく自分の右手で,それはそれは美しいフレーズを奏でて制圧にかかる。スコット・ラファロポール・モチアンも納得の最高のアドリブで場が静まったのであった。

 「NO.1」とは言わないが…。by 「アドリブログ」+【ウィッチクラフト】評価向上委員会。

 
BILL EVANS : Piano
SCOTT LaFARO : Bass
PAUL MOTIAN : Drums

PORTRAIT IN JAZZ-1
PORTRAIT IN JAZZ
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