バド・パウエル / ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル

5.0

THE GENIUS OF BUD POWELL-1 管理人にとっての“高嶺の花”,それは小林香織でも矢野沙織でも,はたまたミキティーでも石原さとみでも長澤まさみでもなく…。
 うさんくさい・ブ男“狂気の天才”バド・パウエルその人である。

 “パウエル派”の創始者であるバド・パウエルこそ,モダン・ジャズ史上,最高・最強のジャズ・ピアニストである。
 もはやバド・パウエル抜きにジャズピアノは語れない。バド・パウエルの影響を誰も完全に拭い去ることなどできやしない。
 そう。全てのジャズ・ピアニストが絶対に避けて通ることのできない「決定的な存在」なのである。

 しかしここに奇妙な現象がある。アドリブ好きには最高のごちそうだと言うのに,管理人も管理人の周りのジャズ仲間も,日常的にはバド・パウエルを聴いてはいない。
 これは何もバド・パウエルCDがプレミア価格で手が出ないと言う意味ではない。CDならすでに手元にザックザク。ほぼコレクションは終わっている。聴こうと思えばいつでも聴けるのだが,なかなか手が伸びない&届かない。そう。これが“高嶺の花”の所以である。

 なぜ手を伸ばすことを躊躇してしまうのだろう? それこそがジニアス=天才の証し。ズバリ,聴くのがメチャしんどい。
 “癒し系”と対極にある,くつろぐ余地など皆無な音楽。この緊張感は“殺るか殺られるか”死と背中合わせの音楽?

 昔はこんなことなかった。バド・パウエルの音楽を正面から受け止めて,勝手に“対決”できていた。しかし今ではアルバム1枚を通して聴くと,確実に体力を消耗してしまう。“ジーコ・ジャパン”のように終盤はヘロヘロになってしまう。
 そう。バド・パウエルは“若気の至り”を必要とする唯一のジャズメンなのである。

THE GENIUS OF BUD POWELL-2 さて,その“狂気の天才”ぶりがいかんなく発揮されているのが,前期パウエルの“最高傑作”『THE GENIUS OF BUD POWELL』(以下『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』)!

 このクラスの演奏になると,おざなりな批評など不要だろう。ただただ黙って,天才と狂気がうずまく壮絶な世界を身体で感じてほしい。

 『ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル』を繰り返し聴き込む時,必ずや読者のCDラックにも,バド・パウエルという“高嶺の花”が咲きほこる! もう二度と手を出せなくなる,と言う管理人の言葉を体感できるはずである。

 ただし生半可な気持ちで聴いてはならない。KO覚悟でチャレンジしてほしい。そうでないとケガをする…。

 
01. TEA FOR TWO (alternate take)
02. TEA FOR TWO
03. TEA FOR TWO (alternate take)
04. HALLELUJAH
05. PARISIAN THOROUGHFARE
06. OBLIVION
07. DUSK IN SANDI
08. HALLUCINATIONS
09. THE FRUIT
10. A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE
11. JUST ONE OF THOSE THINGS
12. THE LAST TIME I SAW PARIS

 
BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums

(ヴァーヴ/VERVE 1951年発売/POCJ-1839)
(ライナーノーツ/久保田高司)
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