「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCD/LP/ビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。
今回は1989年度(第23回)の発表です。
★【金賞】.コンセクレイション~ザ・ラスト /
ビル・エヴァンス
★【銅賞】.バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー /
ゲイリー・トーマス
★【ボーカル賞】.ジャスト・フレンズ /
ヘレン・メリル&スタン・ゲッツ
★【制作企画賞】.J.S.バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第1,3&5番 /
ニューヨーク・オーケストラ
★【編集企画賞】.ギル・エバンス・アット・スイート・ベイジル~集大成版 /
ギル・エバンス
★【編集企画賞】.チャーリー・パーカー・オン・サボイ~集大成版 /
チャーリー・パーカー
★【最優秀録音賞】.トリオ・ジーピー /
ブランフォード・マルサリス
★【最優秀ビデオ賞】.ジャック・デジョネット・スペシャル・エディション・ライブ88 /
ジャック・デジョネット・スペシャル・エディション
ゲイリー・トーマスの『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』が【銅賞】受賞。
管理人とゲイリー・トーマスとの出会いは「ジャック・デジョネット・スペシャル・エディション」での斬新すぎる演奏であった。全てをジャック・デジョネットの力量と讃えることもできるが,ゲイリー・トーマスとグレッグ・オズビーが組んだフロントの破壊力に度胆を抜かれた。
その流れで手に取ったゲイリー・トーマスの『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』に再び度胆を抜かれてしまった。
ゲイリー・トーマス → 「M-BASE」 → 『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』 → 第二のジャズ・ルネッサンスを意識する。
ウイントン・マルサリスが始めた「新伝承派」のムーヴメントが「M-BASE」を生み出し「M-BASE」がゲイリー・トーマスを,そして『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』に結実した。これは大仰などではない。
『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』に,今となっては時代を感じる部分もあるが『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』を通過したからこそ,その後の「テナーの豊作」があると思う。
影響力の点ではブランフォード・マルサリスの次に来るのがゲイリー・トーマスであり『バイ・エニー・ミーンズ・ネセサリー』に翌年【金賞】を受賞した『ザ・ゲイト・イズ・オープン』に違いない。
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