「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCD/LP/ビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。
今回は2006年度(第40回)の発表です。
★【日本ジャズ賞】.ライブ・アット・ベイシー~ウィズ・ハンク・ジョーンズ /
ケイコ・リー
★【日本ジャズ賞(特別賞)】.渡米50周年記念日本公演 /
秋吉敏子&ルー・タバキン・スーパー・カルテット
★【ボーカル賞(海外)】.アラウンド・ザ・シティ /
イリアーヌ・イリアス
★【ボーカル賞(国内)】.ニカズ・ドリーム /
チャリート・ウィズ・マンハッタン・ジャズ・オーケストラ
★【最優秀ジャズ・ビデオ賞】.ザ・ラスト・トリオ・ライブ’80 /
ビル・エヴァンス
★【最優秀録音賞(ニューレコーディング)】.メモリーズ・オブ・ユー /
ケン・ペプロウスキー
★【最優秀録音賞(リマスタリング)】.アトランティック・ジャズ紙ジャケット・コレクション
★【ニュー・スター賞(海外インスルゥルメンタル)】.ケリー・ブルー /
ダン・ニマー
★【ニュー・スター賞(海外ボーカル)】.ソフィー・ミルマン /
ソフィー・ミルマン
★【ニュー・スター賞(国内インスルゥルメンタル)】.サラ・スマイル /
市原ひかり
★【ニュー・スター賞(国内ボーカル)】.魂・KON /
安富祖貴子
チック・コリアの『スーパー・トリオ』が【金賞】受賞。
ピアノのチック・コリア,ドラムのスティーヴ・ガッド,ベースのクリスチャン・マクブライドからなる『SUPER TRIO』。この超重量級のネーム・バリューを目にしただけで“買い”である。
【HUMPTY DUMPTY】【THE ONE STEP】【WINDOWS】【MATRIX】【QUARTET #2 PT.1】【SICILY】【SPAIN】。このチック・コリアの代表曲がズラリと並んだ収録曲を目にしただけで“買い”である。
名曲が最高の演奏で奏でられることが二重の意味で保証された『スーパー・トリオ』だが,なぜだか「日本限定発売」の曰くつき~。
『スーパー・トリオ』の真実とは,チック・コリアの“マニアックなコレクター盤”。正直,世界発売をする内容ではなかった。
管理人が『スーパー・トリオ』に不満を感じるのは演奏面でのことではない。
ズバリ,ラストに【SPAIN】を入れた編集姿勢に対してである。人気の【SPAIN】を入れたのは「日本向け営業」の最たるものである。【SPAIN】の,特に引っ掛かりのない演奏を,ただアルバムを“売りたいがために”フェードアウトさせてまで入れている。
ハズレの【SPAIN】だったから,純粋にファン・サービスの“おまけ”として入れたというよりも“客寄せパンダ”として入れたとしか思えない。
チック・コリア,スティーヴ・ガッド,クリスチャン・マクブライドによる水準以上の名演が6曲続くも,最後の最後で落とされたようで毎回興醒めしてしまう。何なんだ~,この営業至上主義のダメダメ編集~。
そんな“眉唾物”の『スーパー・トリオ』が「スイングジャーナル」誌主催2006年度のジャズ・ディスク大賞【金賞】受賞って何なんだ~,この営業至上主義のジャズ・ディスク大賞~。
日本だったら売れる。ネーム・バリューだけで売れる。収録曲だけで売れる。「スイングジャーナル」誌も売るのを手伝ってくれる…。そんな「日本限定発売」の『スーパー・トリオ』だが,管理人は出せば世界でも売れると思っている。
だってチック・コリア・マニアなら,このメンバーにしてこの選曲,絶対に聴いてみたくなるんだもん!
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