「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCD/LP/ビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。
今回は2009年度(第43回)の発表です。
★【銀賞】.25~アート・ブレイキー・トリビュート /
マンハッタン・ジャズ・クインテット
★【日本ジャズ賞(特別賞)】.マイ・ワンダフル・ライフ 富樫雅彦バラード・コレクション /
佐藤允彦~渡辺貞夫~日野皓正~峰厚介~山下洋輔
★【ボーカル賞(海外)】.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン /
ニッキ・パロット
★【ボーカル賞(国内)】.シング・ワンス・モア~ディア・カーペンターズ /
平賀マリカ
★【最優秀録音賞(ニューレコーディング)】.ジャパネスク~日本の詩情 /
ヨーロピアン・ジャズ・トリオ
★【最優秀録音賞(ニューレコーディング)】.ハンドフル・オブ・スターズ /
エディ・ヒギンズ&スコット・ハミルトン&ケン・ペプロウスキー
★【最優秀録音賞(ニューレコーディング・ボーカル)】.ディア・ソウルズ /
彩花-IROHA-
上原ひろみが2年連続の【金賞】受賞。特筆すべきは「ヒロミズ・ソニックブルーム」のバンド編成でもピアノ・ソロでも,エレクトリック・ピアノでもアコースティック・ピアノでも世界を唸らす上原ひろみの溢れ出る創造性であろう。
『プレイス・トゥ・ビー』は,世界中を演奏旅行で駆け巡る上原ひろみの感性が“その土地の音”として届けらている。要は上原ひろみ版のキース・ジャレット『サンベア・コンサート』である。
ピアノ・ソロは誤魔化しがきかない。素の上原ひろみは実に素晴らしいピアニストであった。
各方面から絶賛されるテクニックにも改めて舌を巻いたが,ピアノ一台で奥深い情景描写がお見事!
しかしそれ以上に,時折聴こえる“唸り声”に“彼女もか?”が真っ先の感想である。
素の上原ひろみは実に素晴らしい作曲家でもあった。ピアノ・ソロにありがちな「自己満足&一本調子」ではなく,十分聴き手のイマジネイションを掻き立ててくれる!
20代の記念碑として30代を迎える5日前に録音された『プレイス・トゥ・ビー』には,20代特有の感性が“ギュッ”と凝縮されている。
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