“音楽の祭典”2020年度のグラミー賞。グラミー賞にしてもアカデミー賞にしても新型コロナウイルス感染症の猛威には勝てず,1月31日発表の予定が3月14日へと延期。
そのおかげで病床にあったチック・コリアはグラミー受賞の吉報を聞くことなく他界。チック・コリア大好き人間としてはそれだけが不憫でなりません。
ただし,今年授賞式が開かれただけでも儲けもの。来年はあるのか?
でっ,総括です。リアルとバーチャルを織り交ぜて,ソーシャルディスタンスを保ちながら開催された今年の話題は,ビリー・アイリッシュが2年連続となる最優秀レコード賞を受賞。またテイラー・スウィフトが女性アーティスト初となる最優秀アルバム賞を受賞。そして2020年度で最多ノミネートを果たしていたビヨンセが4部門で受賞。ビヨンセの累計受賞数28は女性アーティストの歴代最多記録を更新。
ん? ジャズ/フュージョン以外はどうでもよかったですね。
早速「アドリブログ」の本丸『JAZZ』の受賞作の発表で~す。
Track from: Trilogy 2 (Chick Corea, Christian McBride & Brian Blade)
Kurt Elling Featuring Danilo Pérez
Chick Corea, Christian McBride & Brian Blade
Maria Schneider Orchestra
Arturo O’Farrill & The Afro Latin Jazz Orchestra
祝・チック・コリアが2冠達成! 管理人が2014年に預言していた通り?クリスチャン・マクブライド&ブライアン・ブレイドと組んだ『トリロジー 2』がリリースされさえすれば,瞬殺で文句なしの横綱相撲!
『トリロジー 2』のグラミー受賞は当然の結果なのですが,個人的にはジェラルド・クレイトンの『ハプニング~ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』,あるいは『トリロジー 2』のリズム隊がリーダー名義で参加した,ジョシュア・レッドマン&ブラッド・メルドー&クリスチャン・マクブライド&ブライアン・ブレイドの『ラウンドアゲイン』のどちらかに受賞してほしいと思っていた。
だって,いつまでたってもジャズ・ピアノはチック・コリアの一択ではつまらないでしょう? グラミー受賞式の延期が発表された1月末までは本当にそう思っていた。
でも今では違う。2月に突如飛び込んできたチック・コリアの訃報。また1人,偉大なジャズ・ジャイアントがこの世を去ってしまった。チック・コリアのいないジャズ界は想像していなかった。チック・コリアが「今度はこれをやった,またあれをやった」のニュースにジャズ・ファンは,恐らくは大勢のジャズ・ミュージシャンたちも一喜一憂するのが恒例行事であった。
どの世界でも「ベテランが健在でこその若手の台頭」である。キース・ジャレットも再起不能のようであるし,個人的にすぐに名前が浮かぶのはパット・メセニーぐらいのものか? パット・メセニーにしてもまだまだ若手から中堅のイメージが残っているし,その意味でイノベーターが見当たらない。チック・コリアの訃報はジャズ界全体にとって本当に痛い。余りにも痛すぎる。
チック・コリアさん,24冠&25冠となるグラミー受賞おめでとうございます! 本当にありがとうございました! チック・コリアのジャズ/フュージョンは永遠に不滅です! 出でよ,チック・コリア・チルドレンよ!
コメント