スイングジャーナル誌2001年1月号で実施された読者アンケート企画「21世紀に残したい読者が選ぶ名盤ベスト100」のスーパーカウントダウン。それが「スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100」。
今回は16~20位の発表です。
★16.チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ VOL.1 /
チャーリー・パーカー
ソニー・ロリンズの代名詞“ピアノレス”の2枚の名盤『ウェイ・アウト・ウエスト』と『ビレッジ・バンガードの夜』がランクイン。
ソニー・ロリンズのライブ盤『ビレッジ・バンガードの夜』は『ウェイ・アウト・ウエスト』でのテナー・トリオの成果である。
『ウェイ・アウト・ウエスト』でのチャレンジは『ビレッジ・バンガードの夜』でも続いており,1日2ステージの「昼の部と夜の部」ではベーシストもドラマーも違うメンバーで演奏されている。やっている方向性は確信しているのに,まだまだ可能性を手探りしている。
『ビレッジ・バンガードの夜』におけるソニー・ロリンズのテナー・サックスは“アドリブの天才”が爆発しており,異常に張り詰めた空気感が支配するビレッジ・バンガードの緊張した息遣いまでが聞こえてくる。
そう。ソニー・ロリンズと2組のリズム・セクション(特にエルヴィン・ジョーンズ)との真剣勝負のその全てが音楽的! やはりソニー・ロリンズは“ワンマン”である。ゆえにリズム・セクションは触媒である。
個性の異なる2組のベースとドラムの“音楽”を受け止め,その上で優しく包み込みアンサンブルを付けていく。
ソニー・ロリンズの代名詞“ピアノレス”は「テナー・サックスの自由度」について語られるが,そうではない。
何をやっても「音楽」へと変えてくれるソニー・ロリンズの“懐に抱かれた”「ベースとドラムの自由度」の方が恩恵としては大きいのである。
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