村上春樹著『意味がなければスイングはない』の中で,村上春樹がセレクトした「スタン・ゲッツの理想的なレコード・コレクション」。
村上春樹は便宜上,スタン・ゲッツの30年に及ぶ演奏生活を,その表面上のスタイルの変化によって5つの時期に分類している。
1.「クール・ゲッツ」 2.「ホット・ゲッツ」 3.「ウォーム・ゲッツ」 4.「ボサ・ノヴァ・ゲッツ」 5.(幾漠かの皮肉をこめて)「リッチ・ゲッツ」の5期である。
今回は村上春樹セレクト 5.「リッチ・ゲッツ」・ベスト・コレクションの発表です。
「リッチ・ゲッツ」期の2枚は,ボサノヴァ人気もまだ健在で,経済的にも精神的にも余裕を持ったスタン・ゲッツの,正しくリットで上質で充実した演奏期。フュージョン・ブームが巻き起こる中,エレクトリック楽器を加えて,メインストリーム・ジャズの王道へと舞い戻り,余裕綽々なアドリブの節回しにスタン・ゲッツの“凄み”が感じられる。
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