《 アメリカが生んだ文化・芸術であるジャズは,国の歩みと同様に,融合,発展,解放,そして時には模索と,最も人間臭い過程を繰り返してきた。
『ジャズに名曲なし,名演あるのみ』の言葉通り,瞬時のインプロヴィゼーションに自己の感性と創造性の全てを賭けたアーティストたちの演奏は,テンションとなり,リラクゼイションとなって漂い流れる。
そして,最も人間的な文化所産であるが故に,時代を超えた生命力を持ち続けているのだ。
ジャズは生きている。モダン・ジャズ珠玉の名演。 》
「MODERN JAZZ BEST SELECTION TOP500」。
今回は179~182位の発表です。
★182.A NIGHT IN TUNISIA
/ AU CLUB SAINT-GERMAIN VOL.3 /
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
★182.MR. P.C. /
MY FUNNY VALENTINE /
マンハッタン・ジャズ・クインテット
★179.LOVER MAN /
CHARLIE PARKER ON DIAL VOL.1 /
チャーリー・パーカー
★179.NO BLUES /
SMOKIN’ AT THE HALF NOTE /
ウェス・モンゴメリー&ウィントン・ケリー
★179.COUNTRY /
MY SONG /
キース・ジャレット
キース・ジャレットの【カントリー】がランクイン。【カントリー】は,北欧で奏でられたキース・ジャレットの“アメリカ”である。
アメリカの日常生活は素朴である。自然と共に暮らす牧場生活である。アメリカン・カルテットではこうはいかない。ヨーロピアン・カルテットの甘い演奏がもたらす静かな感動がここにある。
ピアノとソプラノ・サックスのシンプルで穏やかで少しせつない美メロにトロトロ。しかしその瞬間に耳奪われる“パンチの効いた”パレ・ダニエルソンのベース。
チャーリー・ヘイデンのようなアメリカの広大な地を這うベースではない。北欧の厳しい冬を思わせるパレ・ダニエルソンの暖炉のベース。時にパチパチと音を立てながらピアノとソプラノ・サックスとぶつかり合う。
平穏な日常の中のハプニング。ちょっとしたハプニングがたくさんの幸福の源。【カントリー】のハプニングはパレ・ダニエルソン。キース・ジャレットの雄大なジャズ・ピアノの響きがどこまでも美しい。
コメント
ウェス・モンゴメリーの【ノー・ブルース】がいいですね。ウェスのギター・ソロ炸裂で、ウイントン・ケリーの指が止まったと止まらなかったとか。ジャズ・ギター伝説の名演に拍手です。今晩のおかず決定です。【ノー・ブルース】久々に聞いてみます。
のぶひでさん,コメントありがとうございます♪
【NO BLUES】は,ウェス・モンゴメリー伝説を語るのに外せない一曲ですよね。ウイントン・ケリーがバッキングするのも忘れて,ウェスのアドリブに聴き入ってしまいました。
でも後半,正気に戻ったウィントン・ケリーのピアノも神です。ウェス&ケリーの共演は全てが大名演の組み合わせ。組み合わせの妙って本当に存在するから困ってしまいますよね?
もしかしてそうでもないですか?
キースの「マイソング」がお気に入りだったのですが、こちらのランキングを見て聞いていましたら「カントリー」が「マイソング」以上に好きになってしまいました。甘いメロディのヨーロピアン・カルテットでのキースも普通のピアノではないです。パレ・ダニエルソンへの暖炉のベースの形容が素晴らしいですね。
のんさん,コメントありがとうございます♪
『マイ・ソング』。私は相当好きです。のんさんのヨーロピアンのキースが普通でない発言。よ~く分かります。
単純な甘さではないミルフィーユ風の幾重にも重ねられた甘さ。これからものんさんと共にキースの「匠の甘さ」を味わっていきたいと思いました。