《 アメリカが生んだ文化・芸術であるジャズは,国の歩みと同様に,融合,発展,解放,そして時には模索と,最も人間臭い過程を繰り返してきた。
『ジャズに名曲なし,名演あるのみ』の言葉通り,瞬時のインプロヴィゼーションに自己の感性と創造性の全てを賭けたアーティストたちの演奏は,テンションとなり,リラクゼイションとなって漂い流れる。
そして,最も人間的な文化所産であるが故に,時代を超えた生命力を持ち続けているのだ。
ジャズは生きている。モダン・ジャズ珠玉の名演。 》
「MODERN JAZZ BEST SELECTION TOP500」。
今回は72~75位の発表です。
★75.RETURN TO FOREVER /
RETURN TO FOREVER /
チック・コリア
★74.SOFTLY, AS IN A MORNING
SUNRISE /
A NIGHT AT VILLAGE VANGUARD /
ソニー・ロリンズ
★73.STELLA BY STARLIGHT /
STANDARDS LIVE /
キース・ジャレット
★72.DEAR OLD STOCKHOLM /
BASS ON TOP /
ポール・チェンバース
キース・ジャレットのスタンダーズ・ライブから【星影のステラ】がランクイン。
「キース・ジャレットのスタンダーズ・ライブから」と書いたのは『スタンダーズ・ライブ』からは全6トラックからどの曲がランクインしても不思議ではないからだ。
【星影のステラ】がランクインしたのは,恐らく『スタンダーズ・ライブ』から1曲選ぶとなるとタイトル・トラックに票が集中しただけなのだと思う。
それ位に『スタンダーズ・ライブ』でのキース・ジャレットは(ジャック・デジョネットもゲイリー・ピーコックも)乗りに乗っている。キース・ジャレットの“唸り”も絶好調。もはやあの“唸り”なしに『スタンダーズ・ライブ』は成立しない。
【星影のステラ】のイントロから3分半のキース・ジャレットのピアノ・ソロを聴いてほしい。
完全に自分の世界に入り込んだアドリブが【星影のステラ】の「どこに行くのか分からない → しかし最初から完成形は見えていたでしょ?」的な即興演奏へと導いていく…。
いいや『スタンダーズ・ライブ』だけではなく,キース・ジャレット・トリオの次回作をも連ねていく…。
コメント
キース・ジャレット、御三家の中では一番聴かないピアニストではありますが、スタンダーズのレコードは確かに悪くありませんね。
ソロ・ピアノのalbumは一回聴いただけでお腹一杯だったりしますから、トリオが良いです。
ロリンズの“あの”小難しいalbumがランキング入りしているのは凄いですね!
体力が消耗している時にはとても聴いていられないalbumにして、スピーカと一騎打ちのジャズですから。
今どきは中身より先に名盤リストで知り、購入してから初めて聴く事になるので、売上枚数はメディアでの露出度なんでしょうけど、持ってる人が選ぶランキングでこの順位なら嬉しい限りです(笑)
チックのリターン・トゥ~はさすがに眠気がさして欠伸が出てきますが(-“-;)
御三家でもハンコックは嫌いになれないピアニストで、コルトレーンやマイルスとさほど変わらないのに好きなのは“やりすぎ”が無いからかも知れません。
チックもゲッツのウ゛ァーウ゛盤「スウィート・レイン」でのピアノは格好良いなぁなんて…好みですね好み( ̄。 ̄;)
スタンダード曲に関して、当方の傾向として特にお気に入りでないジャズマンのレコードはスタンダード歓迎、お気に入りのジャズマンはオリジナル曲に魅力を感じるようです。
やまchanさん,コメントありがとうございます♪
私はソロ・ピアノからキースを聴きはじめたので,今でもキースはソロの人だと思っているのですが,トリオにはトリオの楽しさがありますよね。
そんな中で『スタンダーズ・ライブ』はキースの突出したピアノが暴れまわっていて興奮ものなのです。
チックもハービーも大好きですよ。そんなことよりロリンズですね。「小難しいalbum。体力が消耗している時にはとても聴いていられないalbum。スピーカと一騎打ちのジャズ」に同感です。
ロリンズもキースと同じタイプの超天才。コルトレーンやショーターも凄いですがロリンズの凄さは桁違いです。当たり外れの波があるのもロリンズとキースの特徴であります。
「今どきは中身より先に名盤リストで知り、購入してから初めて聴く事になるので、売上枚数はメディアでの露出度なんでしょうけど、持ってる人が選ぶランキングでこの順位なら嬉しい限りです」にも同感です。
いいや,ロリンズとキースの極上のライブ。本当はもっと上でしょう。でも上には上が~。
ロリンズは90年代前半に、愛知芸術センターで一度だけLIVEを体感しました。
半袖のアロハ?シャツにグラサンという出で立ちで現れたローリン。
いつ終わるのか?(-“-;)と思う程延々と飛び出す歌心溢れるフレーズの数々に、大満足して帰った記憶があります。
当時、コンコードのジャズフェスなんかもマメにチケットをとっていた当方ですが“ほんっと” に観て良かった(T^T)
ウルウルと思えるLIVEでした。午後7時開演で、終了した時の時計は9時半を回っていましたしね。
緊張状態で冷や汗タラタラのアドリヴを覚悟していましたが、サキコロみたくリラックスした中にハートとキレのある素晴らしい演奏でした。
丁度、album「Here’s To The People」が評判をとった次の年だったと思います。
ジャズの生き証人であるテナーの巨人、そこに立っているだけでも夢の様でしたが、プレイも衰え知らずの凄さで、アドリヴを吹いているロリンズを幸せそうに眺めていたトロンボーン奏者の若いジャズマンが印象に残りました。
やまchanさん,コメントありがとうございます♪
うらっやましいです。私のフェイバリットなロリンズのライブ。残念ながらなのです。
いつ終わるのか本人さえも分からないアドリブ。ロリンズ・クラスになると何が絶好調なのか判断不能でしょうが,それでも「(T^T)ウルウル」な夜。
やまchanさんの感動,今も覚めやらぬ,なのでしょうね。でもそうなることと思います。
やまchanさんだけでなくトロンボーンの若者ジャズメン。生涯,幸福な瞬間のエピソードとしてロリンズの偉大さを語り続けていくのでしょうね。