「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCD/LP/ビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。
今回は1967年度(第1回)の発表です。
★【金賞】.ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン VOL.1 /
オーネット・コールマン
★【日本ジャズ賞】.イベリアン・ワルツ /
渡辺貞夫&チャーリー・マリアーノ
★【特別企画賞】.フォンタナ・ニュー・ジャズ・シリーズ [8作]
1967年当時のジョン・コルトレーンこそが「時代の寵児」であった。マイルス・デイビスを超えるジャズ界のリーダーであった。『EXPRESSION』は,そんなジョン・コルトレーンの“遺作”である。
しかし,死の5ヶ月前の演奏であって『EXPRESSION』は「死の直前」の遺作ではない。
ただし「死をどこかで意識した」虚飾を廃し,純粋にインプロビゼーションの完成だけに思いを集中した演奏が,とめどなく美しい。
ジョン・コルトレーンは,演奏中にいつ死んでもおかしくなかった。それ位にハードすぎる,身を削るフリー・ジャズを先導していた。
『EXPRESSION』は【銀賞】に値する。尤も,ジョン・コルトレーンのアルバムはその全てが【銀賞】に値する。そう思っている。
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